神秘の入口——縁切り神社との出会い

安井金比羅宮 鳥居
お寺にしては珍しくパーキングエリアが併設されている
SNSでの口コミもあり、訪れる参拝者には枚挙にいとまがないようだ
「最近、安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)ってよく聞くんだけど、縁切りで有名なんだよね?」
「そう。ここは“縁切り縁結び碑(えんきりえんむすびいし)”っていう大きな石をくぐると悪縁を切り、良縁を結べるって言われてるんだ。特に人間関係や恋愛に悩む人たちが多く訪れる神社だね。」
「えっ、そんなに効果があるの?」
「実際に体験談も多いし、SNSでも“行ったら本当に変化があった”って話題になってるね。特に、貼られているお札の数がすごい。参拝者が願い事を書いたお札が石の周りを覆っていて、強烈なエネルギーを感じるよ。」
「うわ、ちょっと怖いような気もするけど…気になる!」
縁切りと縁結び——参拝方法とその意味

安井金比羅宮 縁切り縁結び碑
思っていたよりきれいな印象。
多くの参拝者が訪れる中で、お寺の方が丁寧に手入れされているのがよくわかる。
「ところで、どうやって参拝すればいいの?」
「まず、本殿でお参りをして、それから“形代(かたしろ)”っていう紙に切りたい縁や結びたい縁を書いて、100円以上のお供えをする。それを持って縁切り縁結び碑の穴をくぐるんだよ。」
「穴をくぐる?どういうこと?」
「最初に表から裏へくぐると悪縁を切る。次に裏から表へくぐると良縁を結ぶ、っていう流れ。」
「なるほど…悪い縁を断ち切ってから、次に良い縁を求めるのか。」
「そう。形代を碑に貼って祈願を完了させるんだけど、もうあの石が見えないくらいお札がびっしり貼られてるよ。」
「みんなの思いが詰まってるんだね。ちょっと不気味だけど、逆にそれだけ効果があるってことなのかも。」
なぜここまで有名?——歴史と信仰

安井金比羅宮 境内
「そもそも、どうしてここが縁切りの神社になったの?」
「安井金比羅宮の祭神は崇徳天皇(すとくてんのう)。平安時代(794年~1185年)末期の天皇で、不遇な生涯を送ったことで有名な人物だね。」
「崇徳天皇って、どういう人だったの?」
「政治的な争いに巻き込まれて讃岐(香川県)に流された天皇。亡くなった後も怨霊(おんりょう)として恐れられたんだ。」
「怨霊…ちょっと怖い話になってきた。」
「でも、その崇徳天皇を慰めるためにここに祀られたのが、安井金比羅宮の始まり。やがて“悪い縁を断ち切り、新しい縁を結ぶ”神様として信仰されるようになったんだ。」
「なるほど…。だから、今の縁切り神社としての形があるんだね。」
廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)と神仏分離(しんぶつぶんり)——お寺から神社へ
「そういえば、安井金比羅宮って“宮”ってついてるけど、もともとはお寺だったって聞いたよ?」
「その通り。もともとは蓮華光院(れんげこういん)っていうお寺だったんだよ。でも、明治時代(1868年~1912年)に入ると、政府が“神仏分離”を進めて、お寺と神社をはっきり分ける政策をとったんだ。」
「えっ、なんでそんなことを?」
「当時の政府は、日本の宗教を神道(しんとう)中心にしようとして、仏教の影響を弱めるために廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)を行ったんだ。その結果、多くの寺が壊されて、安井金比羅宮も神社になった。」

安井金比羅宮 正門
「そんなことがあったなんて…でも、1000年近く神道と仏教が混ざり合ってきたのに、分けるのって無理があるんじゃない?」
「実際、今も名残があるよ。たとえば、神社だけどお寺の要素が残っている場所もあるし、参拝方法も神仏習合(しんぶつしゅうごう)の影響を受けていることが多いね。」
「じゃあ、完全に分けたわけじゃなくて、歴史の流れで少しずつ変化してきた感じなんだ。」
「そういうこと。安井金比羅宮も、その歴史の中で今の形になったんだよ。」
現代の安井金比羅宮——多くの人に愛される場所
「ここまで話を聞くと、ただの縁切り神社じゃなくて、深い歴史がある場所なんだね。」
「そう。崇徳天皇の信仰から始まって、お寺だった時代を経て、今の神社としての形になった。しかも、現代ではSNSの影響でますます参拝者が増えてる。」

「特に恋愛関係の悩みを持つ人には有名だよね。」
「そうそう。恋人と別れたい、嫌な上司と縁を切りたい、悪習慣を断ち切りたい…いろんな願いを持った人が訪れる場所だからね。」
「でも、縁切りって怖いイメージがあるけど、悪縁を断ち切ることで新しい良い縁がやってくるなら、前向きな意味でもあるよね。」
「その通り。だから、もし何か悩みがあるなら、一度訪れてみるのもいいかもしれないよ。」
「うーん、ちょっと気になるな…!」

安井金比羅宮 縁切り縁結び碑
三月末の休日に訪れたが、そこまでごった返しているわけでもなかったので
お盆などの連休シーズンでもなければ15分ほど並べば穴をくぐることができる
【まとめ】
安井金比羅宮は、ただの縁切り神社ではなく、深い歴史と信仰が根付いた特別な場所。神秘的な参拝方法と、時代を超えた変遷があるからこそ、多くの人を惹きつけてやまないのだろう。
「悪縁を切る」と聞くと少し怖いかもしれないが、それはより良い人生を歩むための一歩かもしれない。あなたも、必要な縁を見つめ直してみては?
