【真如堂 真正極楽寺】安倍晴明ゆかりの地、女性に愛される寺とその魅力

京都 

真如堂とは? 〜歴史と背景〜

真如堂って、どんなお寺か知っていますか?

「名前は聞いたことありますが、詳しくは知りません。」

真如堂 本堂

境内から正面にどんと構える立ち住まい。どっしりとした木組みと本瓦葺。

内陣には阿弥陀如来が祭られており、金箔がふんだんにあしらわれた厳かな空間が広がっていた。

境内は人も少なく、ゆったりとした空気が流れる。

散歩をする人。桜の写真を撮る人。腰かけてお茶を飲み休憩する人。

京都の喧騒をひと時忘れる。

真如堂(しんにょどう)は、正式名称を真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といいます。平安時代(984年)、戒算(かいさん)という僧侶が比叡山延暦寺の僧侶・元三大師(がんざんだいし)の勧めで創建しました。天台宗に属し、京都の左京区にあるお寺です。

真如堂 総門

正面にある立派な赤門。秋になると紅葉の中に溶け込む様が想像できる。

「1000年以上前のお寺なんですね!でも、どうして『真如堂』って呼ばれるんですか?」

『真如堂』は通称なんです。本堂の名前がそのままお寺の呼び名として定着した形ですね。

「なるほど。正式名称よりも通称のほうが有名なんですね。」

そうですね。それだけ長い歴史の中で、人々に親しまれてきたお寺なんです。

語彙解説

• 戒算(かいさん):平安時代の天台宗の僧侶。真如堂の開基(創建者)。

• 天台宗(てんだいしゅう):最澄(さいちょう)が開いた仏教の宗派。日本の仏教の基礎となった。

真如堂と安倍晴明 〜陰陽師ゆかりの地〜

真如堂は、安倍晴明(あべのせいめい)ゆかりの地としても知られています。

「陰陽師の安倍晴明ですね。」

真如堂 地図

京都駅からA1乗り場発 京都市バス5番で約40分。

真如堂前バス停から歩いて向かうことができる

そうです。晴明が使ったとされる『秘印(ひいん)』が授与されることもありますよ。

「秘印って何ですか?」

秘印は、晴明の霊力が込められた印章のことで、厄除けや開運のご利益があるとされています。晴明は、平安京で陰陽道を用いて呪術(じゅじゅつ)を行い、朝廷に仕えました。

「ということは、真如堂は陰陽道とも関係が深いお寺なんですね。」

語彙解説

• 陰陽師(おんみょうじ):陰陽道を駆使して占いや祈祷を行う人。安倍晴明が特に有名。

• 加持祈祷(かじきとう):神仏の力を借りて、病気や厄を払う儀式。

• 秘印(ひいん):特定の人物や宗派が持つ、特別な印章や呪符(じゅふ)。

女性に愛されるお寺 〜華やかな季節と信仰〜

真如堂は、女性に縁のあるお寺でもあるんですよ。

「どういう意味ですか?」

本尊の阿弥陀如来が“頷きの阿弥陀”と呼ばれおり、女性の守り仏として信仰されてるのです。

「頷きの阿弥陀?優しそうな名前ですね」

平安時代から貴族の女性たちにも信仰されていました。

真如堂 本堂

中には秘仏の本尊阿弥陀如来像

女性をお救いくださいという願いに三度うなずいたという伝説があるとか

天井が高く、足に伝わる絨毯越しの木々の軋みが心地よい。

少しひんやりとした空気とお香の香りに包まれて

横になって休みたくなるほどの居心地のよさであった。

「女性にとって特別なお寺だったんですね。」

ええ。それに、春の桜、秋の紅葉もとても美しいので、女性に人気のスポットでもあります。

「確かに、お花見や紅葉狩りにはぴったりの場所ですね!」

真如堂 境内

本堂から総門の眺め

まっすぐ伸びる参道と木々のトンネル。

夏の新緑と秋の紅葉が楽しみ。

語彙解説

• 紅葉狩り(もみじがり):秋に紅葉を鑑賞する日本の風習。

• 貴族(きぞく):平安時代の上流階級の人々。

真如堂の名所 〜涅槃の庭と涅槃図公開〜

真如堂には、美しい庭園『涅槃の庭(ねはんのにわ)』があります。

真如堂 涅槃の庭

画像左側が頭で、右側が足となるようだが

感性が足らないのか、いまいちイメージがわかない。

ただ、限られたスペースで空間をデザインする仕事って面白いなと感じる

「涅槃の庭?」

昭和の作庭家・曽根三郎(そねさぶろう)が設計した庭で、お釈迦様(しゃかさま)の涅槃(ねはん)の姿を表現しているんです。

「庭園で涅槃を表現するなんて面白いですね!」

真如堂 涅槃の庭

庭の肩越しに送り火の山が覗く

少し得をした気分

また、毎年3月には『涅槃図公開(ねはんずこうかい)』があります。これは、お釈迦様が入滅(にゅうめつ)する場面を描いた大きな掛け軸(かけじく)を特別公開する行事です。

「季節ごとの行事も充実しているんですね!」

真如堂 三重塔

参道の横に建つ。

おさまりのいい伽藍の中の素晴らしいアクセント

語彙解説

• 涅槃(ねはん):仏教における悟りの境地。お釈迦様が亡くなることも指す。

• 入滅(にゅうめつ):仏がこの世を去ること。

• 作庭家(さくていか):庭園をデザインする職人や建築家。

まとめ

真如堂は、歴史ある天台宗の寺院であり、安倍晴明ゆかりの地としても知られています。また、女性に愛される寺として、四季折々の美しい風景が楽しめるスポットでもあります。特に、春の桜や秋の紅葉、秘印の授与、涅槃の庭など、様々な季節にイベントが満載です。調べただけではわからなかった魅力がたくさんあります。是非一度足を運んでみては?

タイトルとURLをコピーしました